小説/本文

[小説]そして二度目の梅雨が来る(プロローグ)

それは、桜が満開な季節の、良い天気の午後のことだった。 「…ああもう…社長も人使いが荒いなぁ……」 大島 橘は、先般社長に依頼されていた書類を 両腕に山ほど抱え、社長室へと向かっていた。 橘は4月から、購買部の主任へと昇進したばかり。 だが...
小説/タイトル一覧

[小説]そして二度目の梅雨が来る

ハインリヒ=明=相原(ハリーちゃん)が退社する?そんな噂が流れ始めているねぎ秘密結社内。 そして、それを知らされた元恋人・成沢眞妃は…? ハリマキ(ハリー×眞妃)小説完結編。 これは、成沢 明・眞妃夫妻がまだ交際していない頃の過去の物語です...
小説/本文

[小説]遠い日の慟哭(終)

それから… 真砂の通夜、葬式を終え。 すっかり小さな箱に収まってしまった真砂の前で、 東堂家の親戚一同が、集まっていた。 「…それにしても…『とんでもないこと』になったわね」 親戚の一人が呟く。 とんでもないこと。 浪路はその言葉に、真砂が...
小説/本文

[小説]遠い日の慟哭(2)

午後10時。 「遅ぇな……真砂のヤツ…… どこまで探しに行ってんだか…ったく」 学校からなかなか戻らない真砂を、浪路はイライラしながら待っていた。 もっとも、真砂は友人が多いので、学校帰りに友人の家によって 朝帰りなんてこともざらなので、親...
小説/本文

[小説]遠い日の慟哭(1)

「ふーーっ!ギリギリセーフ!!!」 始業のチャイムと共に、教室に飛び込む浪路。 「おう浪路。今日はセーフだな!」 隣の席の男子が、失笑しつつ祝福の言葉(?)を浪路に贈る。 どうやら浪路は遅刻常習犯らしい。 ここは、街の郊外にある、男子高校。...
小説/本文

[小説]遠い日の慟哭(プロローグ)

枯れ葉の舞う、秋の夕暮れ時。 鮮やかな夕焼けが、辺り一面を。 …血のように真っ赤に染めている。 …ザザー……ン… 波の音だけが、静かに響きわたる。 誰もいない、海辺の墓地に。 一人の男が、花と線香、バケツを持って 墓地内をゆっくりと徘徊して...
小説/タイトル一覧

[小説]遠い日の慟哭

女の子大好きナンパ君。だけど実は… 何故、彼女は常に「男」を演じ続けるのか? 東堂浪路の笑顔の裏には、辛い過去があったのだった…。 【登場人物】(過去の物語なのでその当時に合わせた解説です) 東堂浪路 ねぎ秘密結社・システム設計部所属(当時...
小説/本文

[小説]中原幹雄誘拐事件(終)

そして、数週間後。 いつもの平和な日々の戻った、N.H.K。 午後の中休み。システム設計部のデスクにて、 幹雄が大量の便せんを読みながら、微笑んでいる。 「あれー?中原さん、その大量のお手紙、何?」 通りがかった愛子が、不思議そうに尋ねる。...
小説/本文

[小説]中原幹雄誘拐事件(4)

山梨から車を走らせ、会社に着くと ちょうど昼休みの時間だった。 「あっ、中原さん!!」 留守番をしていたみはるが、幹雄救出に向かった社員達が 幹雄を連れて戻るのを見ると、笑顔で迎えてくれる。 「よかった!無事でっ!!……あっ……でも……お花...
小説/本文

[小説]中原幹雄誘拐事件(3)

翌朝。 結局一睡もできなかった幹雄は。 布団の上であぐらをかき、ぐったりとしていた。 「……やっと……朝かぁ……」 寝不足でボーっとしていると、 ドアをノックする音が。 「…中原殿。社長がお呼びです。ご案内しますので ドアを開けさせて貰いま...