(食堂)
満:は~~~~ 午前中はいそがしかったな~~
なんかウマいもん食おっと。
浪路:いや……お前午前忙しかったって、出勤したの午前11時だったよな?
今何時だと思ってんの?
(浪路を無視して食券の券売機に向かうが「本日休業」の貼り紙が)
満:お?なんだって?今日食堂休みなのか!?蔦子なにやってんだ?
浪路:ホントだ。めずらしーなー。メシどうすっかな。
コンビニでも行くか………。
???:いらっしゃいいらっしゃーい!食堂が休業で困ってるみなさーん!特製お弁当はいかがですか~っ!?
浪路:!?
満:んん?なんだありゃ。小学生が弁当売ってるぞ?
見たことないガキんちょだなー。
浪路:でもウチの制服着てる……ってことは、一応関係者か。
???:ガキんちょじゃないもん大人ですもん!!
満:∑うおっいきなり距離詰めて怒鳴るんじゃねぇ!地獄耳か!
浪路:まあどう見ても小学生なんだがな……
???:うわん酷い!このおにーさんたち初対面のボクに相当失礼だよーっ!
浪路:でもここで働いてるってことは一応就業年齢ではあるんだろ?新人か?
???:はあい!この4月からお世話になってます!
購買部所属の烏丸恵彦と申します!愛らしい見た目に反してダンディーな25歳ですっ!
満:ダンディーという言葉が世界一似合わねぇやつだな!
浪路:なんと……俺と2つしか変わらねぇのか……
ていうか弁当なんて売ってるからてっきり食堂のスタッフかと思ったぜ。
恵彦:社長にお願いして週に2回だけお手製お弁当売って商売してもいいってことになったんですよ~!
食堂の室井さんも、時々お休みすることがあるみたいですし、お昼の選択肢が増えるのは大歓迎だって!
満:ふーん。この弁当お前がつくってんの?
恵彦:ですよ!ボク一応調理師免許も持ってるんですからねっ!
満:ほほー。自信満々なんだな。んじゃ、お味見ってことで1つもらうか。
恵彦:まいどあり~っ!
浪路:あ、俺もひとつ。……それにしても、購買部で「烏丸」って……
恵彦:まいどありありで~す!
(遠くから「すいませーん、お弁当くださ~い」の声)
あっ、呼ばれちゃったんで行きますねーっ!ありがとございましたーっ!
浪路:あっ、足速ぇな~…。ま、苗字被りなんて、たまたまか。
満:おっ浪路。この弁当意外とウマいぞ。やるなぁあのガキんちょ。
恵彦:ガキじゃないも――――ん!!!!(遠くから)
浪路:地獄耳だな…