小説/本文 [小説]素敵な恋の忘れ方(1) 「ま、マジで告ったんかお前」翌日。湧木から話を聞かされた遠山 満は驚いて口から煙草を落としかけた。「なんでそんなに驚くんッスか?頑張ってみればー?って言ったのまん部長じゃないッスか」「あ、ああ…そいえば言ったっけか?まあいいや。んで沙織はな... 1992.05.20 小説/本文
小説/本文 [小説]素敵な恋の忘れ方(プロローグ) 隅から隅まで目を通し、チェックを入れ、印鑑を押す。一枚、また一枚と重ねられてゆく書類。事業企画部の蔵石沙織は、果てしない山のような書類に埋もれていた。「いやー、やっぱ月末はしんどいなぁー」二人分のお茶を片手に、湧木廉太郎がやれやれと言った感... 1992.05.19 小説/本文
小説/本文 [小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(終) 数日後、国際部。骨折が治っていないリーザは、車椅子で出社した。本当はもう少し安静にしていなければならないのだが、仕事に迷惑を掛けたくないし、両手は動くので、少しでも仕事がしたいと希望したのだった。「白鳥部長。本当に、ご迷惑をお掛けしました」... 1992.05.17 小説/本文
小説/本文 [小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(3) 「もう、誰も信じられん。信じられるのは自分だけだ。だがもう、自分が自分でいることすらも、疲れた……」「何もかも放り出したかった。なくしてしまいたかった。ゼロになりたかった。だがその時はまだ死ぬ勇気はなかった。いっそ何もわからない土地で、今の... 1992.05.16 小説/本文
小説/本文 [小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(2) 「へぇ、それじゃあリーザさん、記憶が戻ったんだ」昼休み。みはるから、昨日の出来事を伝えられた橘は感心する。だが、みはるの表情は何やら複雑そうだ。「そうなんだけどねぇ~…」「ん?何か問題でもあったの?」「……リーザ様、前にパノスくんから見せて... 1992.05.15 小説/本文
小説/本文 [小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(1) 「別にいいんじゃないの?」やや深刻そうに相談に乗ってきた夜半に対し、なんてことないと言った感じで軽く返す奈津恵。「えらくあっさり返すねぇ。本当にいいの?」「だってなくした記憶が戻るわけでしょう?こんな良いことってないじゃない。何か不都合なこ... 1992.05.14 小説/本文
小説/本文 [小説]暴君フレスリーザ ~愛を忘れた王子様(プロローグ) 毎年恒例、4月の大規模人事異動を終え。国際部では、産休に入る大島椎子の穴埋めとして、多彩な言語を使いこなせることから営業部のフレスリーザ・レオンハルト……通称リーザ(様)が異動、配属された。だが。「白鳥部長、今日はDVDの白菜がペットボトル... 1992.05.13 小説/本文
小説/本文 [小説]最期の恋(終) 雲一つなく、厳しい太陽の光が照らす、夏空の下。会社の屋上公園のフェンスの前に、汗一つかかず涼しげにたたずんでいるのは…「白鳥部長、ここにいらっしゃったんですね。……あつく、ないんですか?」社員食堂が、珍客……赤ん坊の雪彦を前に賑わっているな... 1992.05.11 小説/本文
小説/本文 [小説]最期の恋(5) ”グォアアアアアア…!! ”転ばされた『雪男』は、視線を夜半に向け、怒りを露わにした。まずはお前から食ってやると言わんばかりに、抱きかかえていた恵莉を手元から落とした。「ぅお…っ!」すかさず浪路が駆け寄り、抱えて木陰へと運び出す。「…う……... 1992.05.10 小説/本文
小説/本文 [小説]最期の恋(4) 「おはよう」三日間、突然の欠勤をしていた夜半が国際部に顔を出した。「あら部長♪三日も休んでどうしたんです?お布団から出れなくなったんですか?」休んでいた事を特に気にもせずに椎子が問う。「いやちょっと出かけててね。これお土産」そう言って夜半が... 1992.05.09 小説/本文