(前回の同時刻、室井家)
蔦子:(渉に血を与えた後)ふう、足りたかしら?
それじゃ先に寝るわね。おやすみ、渉ちゃん。お仕事あんまり無理しないでね。
渉:うん。蔦ちゃんこそ、ゆっくり寝て。いつもありがとう。おやすみなさい。
………
渉:蔦ちゃんから血をもらえるようになってから、夜中に出かけることもほとんどなくなっちゃったな。うーん、なんて幸せなんだろう♥
???:「渉く――――――ん!!!!! どぉぉぉしよおおお――――――!!」
渉:!!??
???:「継人……息子が、僕に会いたい、顔が見たいって!!! もうどうすればいい!?」
渉:継人……その声は仙波さんですか。カメラonにしてください。
……なんだか取り乱してるみたいなんで、無理にとは言いませんけど。。
???:「えーと……こ、これだったか」
(顔が映る)
雅人:「というわけなんだよ渉くん!!!」
渉:継人くん……息子さん、確か良く会いに行ってるんじゃなかったでしたっけ?
仙波さん、子煩悩だから離れていても週に一度は顔を見ないと禁断症状出るって…
雅人:「そうなんだよ。だから週末は食事ついで……いや、ついでは食事の方か。
子どもたちの顔を見に、必ず帰るようにしてるよ。…息子が確実に寝ている間にね。」
渉:徹底してますね…。でも、もう大学生でしたっけ?夜遅くまで起きてる場合もあるんじゃないですか?
雅人:「そんなの、眠らせるに決まってるじゃないか!」
渉:あははは……って、笑いごとじゃないかもしれないですけど。
そこまで徹底しなくても、大丈夫な気はするんですけどね。
雅人:「しかし……絶対に大丈夫という確証もない……」
渉:そこはまあ、仙波さんがなんとか我慢するしか…
雅人:「困った、さすがに会いたくないとは言えないし、忙しいから無理、で誤魔化し続けるのも限界があるし……ううむ……渉くん、僕の代役とかになれないかね?」
渉:無理ですよ……僕は見た目が20代ですし……
それに流石に僕が吸血鬼ということはバレたくないですよ。
でも、仙波さん達は実の親子なんですから、いっそオープンにしたほうが……
雅人:「駄目だ……継人には、普通の人間の暮らしをさせてあげたいんだ。僕らみたいには、させたくない。絶対に……」
渉:……まあ、その気持ちはわかりますが……
テケテケテケッ♪
母さんに聞いたら毎週末帰って来てるんだってな?
その時に会いたいからもし寝てても絶対起こしてくれよ。
勝手に帰ったりしたら承知しねぇからな。
雅人:「ア゛――――――!!!! もう逃げられなーい!!!!」
渉:(通知音で息子からLINEが来たと察した)せせせ仙波さん……落ち着いて……
(いつもは穏やかでスマートな仙波さんのこんな取り乱しよう…初めて見るなぁ…)
…通話終了…
渉:そういえば…前に仙波さんが、継人くん確か蔦ちゃんと同じ会社でバイトしてるって聞いたような……だとしたら、御真祖様に気付かないはずないと思うんだけど、どうしてるんだろう?
……ちょっと訊いてみようかな。御真祖様、LINE始めてくれたし。この時間なら間違いなく起きているだろう…
こんばんは。御真祖様。今ちょっといいですか?
(すぐに既読はついたが30分経過)
渉:まさかの既読スルー…!! ……さ、さすがに僕みたいな一般庶民吸血鬼が御真祖様に対して気軽にLINEとか馴れ馴れしすぎたかなぁ……でも家族ぐるみで食事とかもしたし、少しは打ち解けたかと思ったのに…
ピコピコピコッ♪
ごめんすまほなれてないから文字うつのおそくてごめんなにかな
(謎の改行)
(謎の改行)
渉:(ずるっ)これLINEでやりとりしようとしたら一気に夜が明けちゃいそうだな……なら通話……いや、明日の夜会いに行って仙波さんのことも含めてちょっと相談しようっと。