[Interview]第7回 湧木廉太郎

インタビュー

★今夜は無礼講―――――とは、、当社公式インタビュアーである東堂浪路が社員を飲みに誘って(※未成年はファミレスとか)普段は訊けないあんなことやこんなことを聞き出してしまおう!という企画なのである!


第7回 湧木廉太郎さん(開発研究室/26歳)
~ 湧ちゃん、沙織ちゃんに振られちゃって残念でしたねスペシャル ~


小説「素敵な恋の忘れ方」のネタばれ満載なので未読の方はご注意。

湧木:ちょっとちょっと、浪やん先輩。何なんッスか↑のサブタイトルは!!

浪路:ま、そういうことだから!(肩をぽんと叩く) 今日は残念会ってことで!

湧木:残念会…ねぇ………浪やん先輩がそういうなら、仕方ないなぁ。もちろんおごりでいいッスよね?
ホントはこの件に関しちゃ僕はあんまり語りたくないんッスからね!?

浪路:もちろんもちろん♪というかお前のオススメのお店が屋台とは意外だな!

湧木:屋台を侮っちゃいけないッスよ~?ここのおでんは最高!なんだから。

浪路:ま、今日は当然おごるからじゃんじゃん飲んでじゃんじゃん愚痴ってくれ!

湧木:愚痴………ねぇ。(日本酒ちびちび飲みながら)
…なんというか、不思議と沙織……ねぇさんにも桐島主任にも恨みも怒りも沸かないというか…
愚痴なんて、ないッスよホント。

浪路:へぇ、そんなもんなのか~?

湧木:なんだろ、悔しいけど。あの二人はこうなるのが運命だったんだなって。
僕が沙織ねぇさんの本当の相手になれればよかったけど……僕の力不足ッスね。

浪路:。・゚・(ノД`)・゚・。ううう、廉坊……お前いいやつなのになぁ……

湧木:正直、僕と付き合う前から沙織ねぇさんが桐島主任のこと好きなのは知ってたし。
そんな沙織ねぇさんに惚れちゃったのが僕なわけだし。
……それにさー、悔しいけど僕が桐島主任に勝てるわけがないッスよ。

浪路:なんでだよ?…まぁ桐島さんイケメンだけどな。でも男は顔だけじゃねーぞ?

湧木:そんな単純な理由じゃないッスよ。……付き合ってて気づいたんだけどさ、
沙織ねぇさんって絶対ドMだと思うんだよね。

浪路:そ……………そうか…………?

湧木:そいでさ、桐島主任は絶対ドS。間違いなくドS。

浪路:(;゚A゚)…………

湧木:優しいイケメンの皮被ってるけどあの性格は絶対裏はドSだって、もう確信したねー。
ドMとドSの組み合わせじゃーマジ僕勝てない。

浪路:……ちなみに、廉坊はSとMどっちなんだ?

湧木:んー僕?僕は……まぁ、たぶんMだろうなぁ。ドMかも。

浪路:なんで?

湧木:僕さぁ…前に浪やん先輩には言ったかもだけど、誰かに片思いしてる女の子にしかときめけないんッスよ。
で、僕モテるもんだから?交際申し込めば結構な確率でOKもらえたりするわけ。
付き合ってる間に、「やっぱり彼が好きだから別れる」なんて、いつ言われちゃうんだろうとか
ドキドキハラハラしながら付き合ってく、このスリルがたまらないというか。

浪路:うん、確かにそれはMだな。

湧木:今までいろんな女の子と付き合ったけど…毎回こうなんッスよ。
結局元々好きだった男のもとへと戻っていって…でもその一途さに、心のどこかでホッとしたりして。
……全く、厄介な性分ッスよ。

浪路:それは…なんというかホント厄介だなぁ…。

湧木:でもそうやって、将来的に結ばれる可能性の低い女の子とばっかり付き合うのは、
やっぱり僕の心の奥に………本命がいるからなのかもなぁ。

浪路:本命ぃぃ!? 何だよそれ、元々好きな子がいるんならその子にアタックしろよ!

湧木:だってたぶん絶対無理だし。というか付き合いたいとか結ばれたいとかそんな願望は超越しちゃってるんだ。
…ってか、相手が誰だか知ったら、たぶん特に浪やん先輩には嫌われると思うッスよ?

浪路:なんで「特に」俺なんだよ?

湧木:だって…ねぇ。浪やん先輩の「」と同じことだもん。

浪路:…………え?

湧木:僕が一番好きなのは妹!もう、僕に何が起きても
久美子(妹の名)がそばにいてくれるなら何でもいいや、って思ってる自分が常にいるんッスよねー。

浪路:……待てよ、お前の妹っていくつだっけ……?

湧木:11歳。小学5年生。

浪路:(;゚Д゚)犯罪だ――――――!!

湧木:だから浪やん先輩は絶対引くって言ったじゃないッスか~。
でもホント、変なことは全く考えてないんッスよ。ずっとそばにいたいって思うだけ。
……あいつ、ばーちゃんはいるけど、両親いないし。ずっと守ってあげたいかなぁ。

浪路:でもそれは廉坊も同じ環境なんじゃ?兄妹だし。

湧木:まぁ僕も両親いないッスけどね。……バラしちゃうと、妹とは血が繋がってないんッスよ。
湧木家の子は久美子だけで、僕は養子。

浪路:そ……そうだったのか……

湧木:でも血が繋がってないからって、久美子に変な気はないッスよ。
あいつが他の男と結婚して家庭を作っても、兄としてずっと見守ってやりたい。
…正直、僕はずっと一人で、兄として久美子のそばにいられればそれでいいや、って。
本音はそうなのかも。うん。

浪路:待て待て待て待て。お前自身の幸せを考えたっていいと思うぞ?

湧木:何も普通に交際・結婚することだけが男の幸せじゃないッスよ。
……うん、今日はっきりと口に出して言ってみたけどこれが自分の正直な気持ちなんだって、確信できたッス。

浪路:(;´Д`)ええええええ

湧木:この気持ちを理解して何もかも許してくれる女の子が現れれば、別ッスけどねー。

浪路:まぁ……ウチの馬鹿弟みたいにあんなことやこんなことやどうこうしたい、ってワケじゃないんだから
分かってくれる人はきっといるんじゃないか?

湧木:ちなみに、浪やん先輩は弟と血繋がってるんッスか?

浪路:そりゃもちろん。まぁ、腹違いなんだけどな。あれ、会ったことなかったっけか?
半分だけしか繋がってないはずなのに、よく似てるから弟だってすぐわかるよ。

湧木:そっかー。血が繋がってるのにそんな堂々と……
ある意味、その覚悟は僕も見習わないといけないッスね~。

浪路:(;´Д`)いやいやいやいや、あいつを見習うとか止めろって。。。

そして宴は続く…。

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