[Interview]第6回 蔵石沙織

インタビュー

★今夜は無礼講―――――とは、、当社公式インタビュアーである東堂浪路が社員を飲みに誘って(※未成年はファミレスとか)普段は訊けないあんなことやこんなことを聞き出してしまおう!という企画なのである!


第6回 蔵石沙織さん(事業企画部/29歳)


小説「素敵な恋の忘れ方」のネタばれ満載なので未読の方はご注意。

浪路:やー、沙織ちゃん。急に誘って悪かったな~。

沙織:ん、なんで?浪ちゃんとならいつも飲みに行ってるじゃん。何を今さら。

浪路:そりゃ今までは……沙織ちゃん一人で暇そ……いや、沙織ちゃんからも誘ってくれてたりもしたし。
ほら……なんつーか、今は事情が違うだろ?

沙織:ん?あぁ。そんなねー、彼氏できたからって気ィ使わなくたっていいっつの!
それよりココ!このお店、料理すっごいウマくてしかも安いんだ!あたしの超イチオシ!

浪路:へぇ~。この店は初めて来るな。沙織ちゃんのオススメなら大いに期待できるな!

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浪路:そいじゃ…ゴホン、沙織ちゃんの恋の成就にカンパ~イ!!

沙織:カンパ~……って何言ってんだよっ!!!

浪路:いやぁ、今回はなんつーか、インタビュー(※仲の良い沙織には、インタビューの事情は話してある模様)とゆうよりはさ、
俺が個人的に沙織ちゃんにお祝いしてやりたかったんだよ。

沙織:お祝いって……そんな、祝うほどのことじゃないっての!

浪路:いや、だってさ。沙織ちゃん、今まで桐島さんについては多くは語らなかったけどさ、
目は桐島さんを追ってるわ、見つめては重い溜息はつくわで、悩んでるのがモロバレだったもんな。

沙織:う………湧木にも言われたけど……そんなに分かりやすかった?あたし……

浪路:たぶん気づいてなかったの、桐島さん本人くらいじゃね?(笑)
あのバカ満だってうっすら気づいてたくらいだぞ。

沙織:う……うぎゃああああああああ~~~~!!!!!!

浪路:(びくっ!!)な、なんだ!? どうしたんだよ!?

沙織:。゚(゚´Д`゚)゚。 は、恥ずかしすぎるううう!!!!!
か………桐島さんのことなんて何とも~、って自分ではそういう風に見せてるつもりだったのに!!!

浪路:うん、全 然 見 え な か っ た ^^

沙織:。゚(゚´Д`゚)゚。 ひ、ひぃぃぃぃいいい!!!!!

(この後しばらく、沙織の悶絶が続いた)

浪路:まぁまぁ、落ち着けって。色々あったけど、まとまって良かったじゃんか。

沙織:う、うん…そうなんだけど…さ。

浪路:でもこの際だから訊きたいんだけど、誰に対してもフレンドリーで姐御肌の沙織ちゃんと、
くそ真面目でちょっと腹黒くて友達いなそうな桐島さんが、どういう経緯でそんな関係になったんだ?

沙織:あー……。

浪路:お似合いだとは、もちろん思うけどさ。一見、接点ないように思えるんだよなー。

沙織:ん~~……浪ちゃんになら、話してもいっかぁ~……。
……あたしらには、みんなが思うよりも結構昔に、色々とややこしいプロローグがあってねぇ……。

浪路:へぇ……どんな?

沙織:簡単に言うと、初めて会ったその日に××しちゃった☆みたいな。

浪路:∑(;゚Д゚)ちょ、ま

沙織:や、まあ。酔った勢いとか強引にとか、まして遊びとか、そんなんじゃないんだ。
…って言っただけじゃ納得できないだろうけど。

浪路:確かに……でも桐島さんならなおさら、そういうことするヤツに見えない…けどなぁ。

沙織:……あたしがさ、亡くなった奥さんにそっくりなんだってさ。見た目も性格も。

浪路:え……

沙織:それであいつ、あたしの顔を目の当たりにするなり、泣き出しちゃって……。
涙の理由もその場で素直に話してくれた。でも、なんだか放っておけなくてさ…。

浪路:それで……なのか。

沙織:でもそれから、あいつは奥さんじゃなくて「あたし」が好きだって言ってくれた。
……でもさ、そんなこと、すぐに信じられるわけないじゃん?

浪路:そりゃ…そうだよなぁ。奥さんの代わりにしたいだけだろ?って思っちゃうな。

沙織:そう……だから、あたしずっとあいつの気持ち、突っ返してた。
好きって言われたことが本当なら、すごく嬉しいけど…あたし、バツイチだからさー。
またダメになったら……って思うと、すごく怖くなっちゃって。

浪路:うんうん、わかる。

沙織:浪ちゃんの言うとおり、ずっと悩んでて…そこに真っ先に突っ込んできたのが姉貴だったわけ。

浪路:さすが、姉ちゃんだなぁ。

沙織:とりあえず、一晩過ごしちゃったこととか、奥さんに似てることとか、
洗いざらい姉貴に話したんだけどさ、返ってきた言葉はたった一つだったんだ。

浪路:なんて?

沙織:「沙織は、桐島さんのことが好きなのか」って…姉貴に言われるまで、
桐島さんのことばっか責めて、逃げて…自分の気持ちがどうかなんて考えたことなかったんだわ、これが。
好きじゃなかったらこんなに悩まないし、四六時中あいつのこと考えることもしないし。
……それに、あたしの今までの態度は、「奥さんがいなかったなら付き合っても良かったのに」って
言ってるようなもんだ、ってことにも、気づいてさ……それって、最低じゃん。…そんなこと、全然思ってないのにさ。

浪路:沙織ちゃん……。

沙織:あたしはさ、亡くなった奥さんのことをいつまでも大切に想ってる桐島さんに惚れたんだ、
……ってことに、ようやく気づいてさ。あいつがあたしのことをなんて思っててもいい、
「あたしが」好きなんだから、って。ようやく、そこにたどり着いたんだ。

浪路:そっかー…。もちろん、人にどう思われてるのかってのも大切だけど、
一番大事なのは自分の気持ちだよな!

沙織:……あたし、今まですっごい酷いことばっかしてきたのにさー…。
あいつ、全部受け止めてくれて……もう、今思い出しただけでも泣けてきそうだよ。
あたし、この人の隣にいていいんだなぁ、って……。

浪路:……なんか、壮絶なノロケを聞かされてる気分だな(笑)

沙織:ふふっ、当たり前じゃん。今日は「そういうの」を聞かされる日だろ?それのお祝いなんだから!

浪路:ま…でも、ホント良かったよ。…今の沙織ちゃん、すっごい幸せそうだし。
なんか、ものすごい綺麗な……イイ女になったって感じ!

沙織:何言ってんの? あたしは前からイイ女だよ?

浪路:はいはい(笑)イイ女が、超すっごいめちゃくちゃイイ女になったってこと!

沙織:へへっ、ありがとー やっぱさ、自分に素直になるってイイことだよね。

浪路:そうだな~。…んー、暗い過去バナはこのへんにして…やっぱ、今だよな!今のこと!

沙織:いま?

浪路:沙織ちゃんはさー、桐島さんからはなんて呼ばれてるの?あと、桐島さんのことなんて呼んでんの?
まさかまだ「桐島さん」じゃないよな~って。

沙織:∑( ̄□ ̄;)ちょ、ちょっ…そんなことどーだっていいじゃん!?

浪路:どーだっていいことなら教えてくれよ~(にやにやにやにや)

沙織:………うー………あいつは今でも「沙織さん」だけど……あたしは……
……まぁ、さすがに職場じゃ控えてるけど……二人の時はカズくんって呼んでる……かなぁ。

浪路:カズくん!! なんか新鮮でいいな!あはははは!!

沙織:もぉー、笑うと思ったから言いにくかったのにさー!

浪路:いやいやいや、バカにしてるわけじゃなくってさ!
でもイメージぴったりじゃん?桐島さん、おぼっちゃんぽいし。呼び捨てよりしっくりくるかも?

沙織:でしょ?

浪路:あとさ、結婚する予定とか、そういう約束とか、あるのか?

沙織:(;´Д`)気が早いなー。そんなんまだあるわけないじゃん!

浪路:あはは、やっぱそうか~。

沙織:もし仮にそうなるとしてもお互い二度目なわけだし、踏み出しにくい…かもなぁ。
始まったばっかだし、漠然とした未来は置いておいて、今を楽しみたいかな!

浪路:そうだな~。まずは徐々に仲を深めないとな!

沙織:ま、周りが見たら呆れるくらい、既にラブラブだけどね!

浪路:おう、これからももっと周りを呆れさせてくれい!

そして宴は続く…。

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