※前回のつづき
(大島家)
橘:(あれから、三田村さんは早退ってことになってたし、
会社周辺を探しまくったたけどあの猫はいなかったし…普通に家に帰ったのかな…)
ただいま~……
梧:おかえり、兄さん。今日はずいぶん遅かったね。
橘:うん…まぁちょっとね…。
梧:忙しい時期でもないし、森川さん達とご飯でも食べてくるのかな?
って思ったけど連絡もなかったから、どうしたのかなって。
橘:ああごめん……連絡入れればよかった……
梧:何かあったのかな、って、僕もララも心配してたんだから。
橘:………ララ………?
ララ:にゃうお~ん
橘:!?!?!?(三田村さん!!?)
ララ:にゃぁ~ん んにゃぁ~ん
梧:ああ…ララはほんと兄さんにベタ甘だなぁ。あんなにすり寄って。
橘:ら……ララって梧、え??
梧:ララは兄さんが帰ってくるまでご飯に口もつけずに待ってたんだよ。
今日は義姉さん(椎子)も来てるし、早く行こう。
橘:(って、梧、なんでそんな前からここに居ましたって感じで
普通にこの猫に馴染んでるの……!?)
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(食後)
橘:………
椎子:も~~~ララちゃんほんっとにかぁわいい~~♥
でもなんでか、タッちゃんの膝にしか乗ってくれないのよねぇ~♥
ずるいわタッちゃん~~!!♥
橘:いや、ずるいと言われても…
梧:僕に対してもずっとツーンとしてるし、
前から兄さんにしか懐かないんですよね、ララは。
橘:……あの~~……ひとつ聞いていいですか~……
梧・椎子:?
橘:この猫……ララ? 昨日までうちに居ましたっけ?
梧:………は?
椎子:なぁに言ってるのタッちゃん?
梧:そんな膝に乗られるほど懐かれてて、毎晩同じ布団で寝てるくせに
記憶喪失にでもなったの?大丈夫?
椎子:そぉよぉ!もうずっとこのおうちで飼ってるコじゃないの♥
橘:そ………そうだっけ………?
(な、何これ…僕がおかしいみたいな目で見られてしんどい…
でも本当にそうなら、三田村さんはどこに…?)
(翌日、経理部)
橘:(今朝は母さんと……ララ、が見送ってくれたけど……
三田村さんは……会社に来るのかな……?)
おはようございます…。
眞妃:おはようございます。
大空:大島主任おっはよーございまーす!
橘:(いない……)
眞妃:(ラシェルの席に視線を向けている橘を見て)
三田村さん、昨日は急に体調を崩して早退したけど、今日は来てますよ。
橘:えっ!!?
ラシェル:おはようございます!(全員分のお茶を持ちながら)
橘:な、なんで……!?
眞妃:……なんで、って「なんで会社に来てるの?」って顔してますけど…
……大島さん、昨日まさか三田村さんに何かしたんじゃ(怪訝な顔)
大空:えー!マジっすかー?まぁカノジョ2人もいる大島主任ならやりそーっすけどぉ~
橘:えぇぇえ!? ご、誤解ですよ!! ね……ねえ三田村さん……?
ラシェル:ナニカ、ってなにのことでますか?
眞妃:……まぁ、本当に変なことされたなら、そんな本気で
「なんのことかわからない」って顔はしませんよね。
お茶ありがとうございます。では、朝礼しましょうか。
大空・ラシェル:はぁ~い!
橘:(本当に僕も「なんのことかわからない」よ……!!
一体どうなってるんだ…!?)