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[小説]歌う山 - The Singing Mountain -(3)

「浪ちゃんが………行方不明!?」 久我から説明を受けた沙織は、信じられない様子で目を丸くする。 時間は、夕方6時を回っていた。 当然、浪路が帰ってくる様子は全く無い。 「そういえば……ここに着いてから、 姿が見えないと思っていましたけど…ま...
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[小説]歌う山 - The Singing Mountain -(2)

激しい揺れは数秒続くと、パタリと止んだ。 遊歩道は跡形も無く崩れ、谷間へと落ちて行った。 …浪路と共に。 揺れが止まってからも… 木の幹にしがみ付いたまま、眞妃はガクガクと震え出した。 (嘘……嘘よ!な、浪路が…!!) 早く浪路を救出しなけ...
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[小説]歌う山 - The Singing Mountain -(1)

数時間歩いた後、たどり着いた宿は… 思いの外、ゴージャス仕様で、一同を驚かせた。 恐らく、久我の趣味ではなく、鳥居家が建てた別荘であろう。 玄関には、久我が薄気味悪い笑顔を浮かべて待ち構えていた。 「良く来た、諸君……どうだね?私の開発した...
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[小説]歌う山 - The Singing Mountain -(プロローグ)

時は2001年2月―――。 ここは、日本有数の荘厳な山々の奥深くにある、N県○×郡。 今は一面、見渡す限り雪深く、生き物の気配すら感じられない季節… …の、はずなのだが。 「うっわー……マジかよ、雪なんて全然ねーじゃんか!」 白いどころか、...
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[小説]歌う山 - The Singing Mountain -

2月の週末の連休を利用して、小旅行を決行した社員達。 久我に招待され、たどり着いた宿には何やらすごい秘密が? 皆が浮かれる中、一人不機嫌そうにしていた浪路は、 元々仲のあまり良くなかった眞妃と口論の直後、謎の失踪を遂げる。 社員達は、久我の...
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[小説]微笑の暗殺者2(おまけ)

一方、ここは上総と沙織が入院していた病院の、別の病室。 「ホントに黙ってていいの~?」 のんきそうに尋ねているのは、社長。 「うるせーなー…いいって言ってんだろ… 後で変に気ぃ使われても面倒なんだよ…いいだろ、みんな無事だったんだからよ」 ...
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[小説]微笑の暗殺者2(終)

「調子はどう?『草薙さん』」 在素は冷ややかに問う。 上総達と同じく、例の細菌兵器の被害に遭った『某ライバル会社』の社員達も、 この病院へ入院しているのだ。 在素は草薙京介と草薙茉莉亜のいる病室を尋ねてきているのだ。 「何故……私たちを助け...
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[小説]微笑の暗殺者2(3)

「あっ、島崎さんっ!来て来て!!目を覚ましたわよ!!」 聞き覚えのある少女の声。 重たい瞼を、ゆっくりと開けると… 愛らしい少女が、自分の顔を覗き込んでいるのが見える。 在素である。 「大丈夫?ちゃんと起きてる?」 少女の後ろには、シャンゼ...
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[小説]微笑の暗殺者2(2)

「桐島さんが『某ライバル会社』に脅迫されてる!?何それっ!?」 島崎の話を聞いた沙織が驚愕する。 「実はですね~、全くの偶然だったんですが、この間の日曜日に 桐島さんが突然実家に帰るという話を耳にした恭一郎さんが、 『桐島くんは絶対お見合い...
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[小説]微笑の暗殺者2(1)

4日後。 終業時間もとうに過ぎた、午後7時。 N.H.Kの研究室員たちは、既に帰宅している。 ただ二人、久我恭一郎と上総を残して。 「桐島くん…最近随分と研究熱心じゃないか。何かあったのかい…?フフ…」 色とりどりの液体と、その液体から漏れ...