(成沢家)
真凛:うわ――――――っ!成沢部長ん家って広いですねぇ!
こんな広かったら、お子さんどんだけ走り回っても飽きなそう!
みはる:真凛ちゃんは来るの初めてだもんね~!
お風呂も広かったでしょ!
真凛:うんうんっ!きーもちよかったぁ♪
眞妃:それにしても、みはると天道院さんがいつの間にかそんなに仲良くなってたなんてね。
みはる:おんなじ部署だしねっ!!それに真凛ちゃん年近いし、いちど一緒に遊びにに行ったらもうすっかり仲良しだよ!
真凛:あの時恋バナで盛り上がったよねぇ!みはるちゃんてば純情そうなカオしてお姉ちゃんと彼氏と…ふふふ♥面白いな!
眞妃:あぁ……(察し)
そういえば、あちこち声かけてたみたいだけど、結局集まったのはこの5人なのね。
愛子:そだねー、芹子ちゃんはおウチのことがあるから無理って言われたしな~。
ちっちゃいお子ちゃんいる人は厳しいかな~と思って、システム部の浪路さんとか真北さんとか声かけてみたけど都合悪かったみたい。
眞妃:うちの三田村さんにも声かけたけど断られちゃったしね…。
………しかしね、愛子………
愛子:?
ガチャッ(ドア開ける音)
結佳:お風呂ありがとうございました。とってもいいお湯でした。
眞妃:! ……そ、そう。良かったわ。
(小声)愛子、どうして関口さんを呼んだの……
愛子:(小声)どーしてって、結佳ちゃんが来るって言ったから、来るなとは言えないじゃん!
眞妃:(小声)今日集まるメンツのことはあらかじめ話したのよね?
愛子:(小声)もちろん。眞妃ちゃんに、あたしに、みはるちゃんに……真凛ちゃん。確かに話したよ。まあ少し考えこんでたけど、来る、って言ったし。
眞妃:(小声)考え込んでた…
愛子:(小声)でもま、その話題に触れなきゃなんともないんじゃない?
眞妃:(小声)女子だけのこういう場でその話題に触れずにいるのは、結構難しい気がするけど…
みはる:ねえねえっ!結佳ちゃん最近奥田さんとはどーなの?イイ感じ??
眞妃・愛子:(みはる(ちゃん)――――――ッ!!)
結佳:な、何を突然…
みはる:もぉ~!女子会って言ったら恋バナじゃ~ん♥
真凛:恋バナ……
眞妃:みはるッもうそれ以上止め!
真凛:ね、関口さん?
結佳:は、はい?
真凛:私、奥田部長本気で好きなんでくれませんか?
(すごくいい笑顔でハッキリと)
眞妃・愛子・みはる:ド直球で来た――――――!!??
結佳:くれませんか?って言われても……奥田部長はモノじゃありませんので。
真凛:え~でも、関口さんの彼氏ってことは、関口さんに所有権あるってことですよねぇ?
結佳:そうかもしれませんけど、わたしの一存で決めることではないです。
「そういうこと」は奥田部長が決めることです。
…………
眞妃:(小声)危惧してたことがいきなり始まったわね…
愛子:(小声)ちょっと怖いけど……でもぶっちゃけ修羅場面白れーw
眞妃:(小声)あ・い・こ?(睨む)
というか天道院さんを呼んだのはみはる?こうなること予想しなかったの!?
みはる:(小声)っていうか今日来たら結佳ちゃんに宣言するんだーってやる気満々だったよ?真凛ちゃん。
眞妃:………………(あちゃー、といった感じで顔を覆う)
(小声)うちを修羅場の舞台にしないで頂戴よ……
…………
真凛:え~、じゃあ、関口さんが譲ってくれないんなら、全力全開で奥田部長奪いにかかりますけどいいですかー?
関口さんにも嫌がらせとかしちゃうかもですよ~?
結佳:奥田部長のことを、本気で好きなら、好きなようにしたらいいと思いますよ。
どうぞ、頑張ってみてください。
真凛:………………なにその正妻余裕スマイル!ちょっとは焦ったり困ったりとかしないんですか!?
結佳:いやそんなドヤ顔してないですから!
…確かに、奥田部長はわたしの彼氏なので、手を出さないでください。と言うのは簡単です。
でも、天道院さんの好きな気持ちを抑えこむ権利までは、わたしにはないです。
……好きって感情は、そんな簡単なことで抑えられるものではないでしょう?
真凛:う………
結佳:逆に言えば、あなたが私に奥田部長を諦めろと言っても、そんな簡単に諦めることはできません。
この気持ちは、仮に……早瀬さんから別れを告げられても抑えきれないかも。
真凛:…………
結佳:だから、本気なら彼にどんどんアプローチして、彼の気持ちを動かしてみてください。
重ねて言いますが、最後に決めるのは奥田部長です。
宣言するのは大いに結構ですが、わたしにどうこうしろというのは、間違ってます。
愛子:結佳ちゃん……
みはる:結佳ちゃん……
眞妃:関口さん……
真凛:……………~~~~~~っっっっぁぁああああ――――――ッ!!!!!
TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!
正妻つよおおおおおおおいいいいいい!!!!!!!!
無理!むり!!!!なんなんこの人!!!!
結佳:て、天道院さん……?
真凛:やっぱ私の見込んだ男の惚れてる女だなああ!!!!
これでハイソーデスカじゃああげますって軽く渡せる男だったらぶっちゃけ私も要らんし
ちょっとイジめただけでうろたえるような弱い女なんか張り合いないしなんというか最高!!!!
眞妃:な、何を言ってるのかしらこの子…
真凛:とりあえず、ごめんね関口さん…ってか結佳さん!
奥田部長好きな女同士、仲良くしてくれるとうれしいなぁ!
結佳:???? は、はあ……
真凛:奥田部長んことはまだ諦めずにアタックしてみるけどさー
なんだろうね、振り向いてほしいようなそうじゃないような、あなた達の強固な愛が壊れないことも祈らずにいられないというか
なんだろうね?この気持ち。よくわかんないけど私、結佳さんのことも好き♥だわぁ!
みはる:つまり真凛ちゃんは結佳ちゃんと同担ってことかな?
真凛:あー!そうだねっ!それ近いかも!奥田部長推し同士!同担歓迎!!みたいなー
よし結佳さん、今夜は奥田部長の好きなトコ、いいトコ語り合おう!!!
結佳:な、なんだかよくわからないけどよろしくお願いします……???